「本を書きたいけれど、一冊分になるほどのネタが自分にはない……」
「いつかは本を出してみたいけれど、具体的に何を書いていいか分からない……」
「何冊か出版して、もう自分の中のネタは尽きてしまった……」

プロデュースの現場で著者さんとお話ししていると、こうした声をよく耳にします。あなたも今、同じように「自分にはもう書けることがないのではないか」と不安を感じてはいませんか?

結論からお伝えすると、何を書いていいか分からなくても、全く問題ありません。むしろ商業出版においては、最初からガチガチにテーマが決まっていない方が、良い結果につながる場合が多いのです。

今回は、なぜネタがないと感じてしまうのか、その正体と解決策をお伝えします。

「ネタがない」のではなく、忘れているだけ

本を書くネタがないのではなく忘れているだけ

「ネタがない」と思っているのでしたら、実はそれは大きな「勘違い」です。

その証拠に、「自分にはネタがない」と言っていた方の多くが、その後、商業出版で見事にデビューを果たし、さらには何冊も書き続けています。なぜそんなことが可能なのでしょうか?

理由はシンプルです。人は「今の記憶」だけで判断してしまう生き物だからです。

膨大な情報や経験、それに付随する感情は、あなたの中に確実に蓄積されています。ただ、それを引き出す手順を知らないために、「忘れている=存在しない」と思い込んでしまっているだけなのです。

ネタを「本」に変える4つのステップ

ネタを本に変える4つのステップ

自分の中にある膨大な記憶を掘り起こし、一冊の本の「ネタ」として整理するには、技術が必要です。具体的には、以下の手順を踏んでいきます。

  1. 分類する:過去の経験や知識をバラバラに書き出し、種類ごとに分ける。
  2. 階層を並び替える:どの情報が重要で、どの情報が補足なのか、優先順位を整える。
  3. 方向性を考える:「誰に何を伝えるか」という軸に沿って、情報を絞り込む。
  4. 不足部分を追加する:整理して初めて見えてきた「足りないピース」をリサーチで補う。

このステップを踏めば、ネタはいくらでも湧いてくるようになります。

むしろ、テーマが決まっていないほうが有利です

ここまで読んで、「それでも自分には書けることがない」と感じた方に、もう1つお伝えしたいことがあります。

テーマが決まっていないことは、弱みではありません。むしろ有利に働くことのほうが多いのです。

「著者が書きたいこと」と「世の中が求めていること」はズレている

著者が書きたいことと世の中が求めていることのズレ

本を出したいと考える方は、総じて知的レベルが高く、人生に対しても高い次元の目標を掲げている方が大半です。しかし、世の中の読者は、まだその域に達していない人が大多数なのです。

  • 著者の視点:「夢を叶えてワクワクする人生を送る方法」を伝えたい
  • 読者の切実な悩み:「会社の将来が不安。リストラでローンが払えなくなったらどうしよう…」

読者にとっては、キラキラした夢を語られる前に、目の前の「ヤバい」という不安を解消することの方がはるかに切実です。

著者が「自分が良いと思うこと」をストレートに書きすぎてしまうと、この切実なニーズを読み飛ばしてしまう危険があるのです。

「ゼロベース」の方が、出版までのスピードが速い

ゼロベースの方が出版までのスピードが速い

テーマが固まりすぎていると、「この内容でなければ書きたくない」と柔軟性を欠いてしまい、企画の可能性を自ら狭めてしまうことがあります。

一方で、何を書いていいか分からない状態であれば、最初から「読者ニーズ」と「著者の強み」を掛け合わせた「売れる企画」をゼロベースで一緒に考えることができます。

市場が求めているものに合わせてコンセプトを設計する方が、結果的に出版決定までのスピードは圧倒的に速くなり、かつ売れる本になる確率も高まるのです。

なお、書きたいことと読者ニーズをどう重ねるかについては、商業出版のテーマの決め方で詳しく解説しています。

第三者の視点が、隠れたネタを見つけ出す

第三者の視点が隠れた本のネタを見つけ出す

自分一人で考えていると、どうしても視点が固定されてしまいます。そこで大切になるのが、出版プロデューサー・コンサルタントのような「第三者の視点」です。

私から「こういう切り口で書けるのではないでしょうか?」と提案すると、著者さんが「あっ、それなら書けます!」「そんな切り口は考えてもみませんでした」と驚かれることが多々あります。

自分にとっては当たり前すぎて価値がないと思っていることの中にこそ、読者が喉から手が出るほど知りたい知恵が眠っているものなのです。

「本を書くネタがない」は勘違いです

何を書いていいか分からなくても問題ありません

あなたのネタは、決して尽きてなどいません。まずは下記のことを試してみてください。

  • 記憶を掘り起こして整理する
  • 切り口を変えて考えてみる

そして、「テーマが決まっていないから」という理由で一歩踏み出すのを戸惑っているなら、その心配は要りません。遠慮なく「本を出したい!」という意思表明から始めましょう。

よくある質問

テーマが決まっていなくても相談できますか?

できます。むしろ、その段階からのご相談を歓迎しています。テーマが固まりすぎていると柔軟性を欠き、かえって企画の可能性を狭めてしまうためです。

自分の経験は平凡すぎると思うのですが……

「平凡だ」という判断そのものが、内側からは正確にできません。ご自身が当たり前だと思っていることほど、他の人にとっては知りたい知恵であることが多いのです。第三者の目を通すと、まったく違って見えます。

何冊か出版して、ネタが尽きてしまいました

尽きているのはネタではなく、切り口です。同じ経験でも、読者層を変える・角度を変えるだけで別の一冊になります。実際、10冊以上出し続けている著者の方は珍しくありません。

4つのステップは、一人でもできますか?

①分類と②並び替えまでは、一人でも進められます。難しいのは③の「方向性を考える」からで、ここは読者ニーズと市場を知らないと判断できません。行き詰まったら第三者に相談してください。

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