出版企画書が完成してチェックも終えたら、次はいよいよ出版社への提案です。
出版社の門戸は広く開かれています。しかし、ここには知らないと損をしてしまう「業界の慣習」があります。とくに大きいのが、一度却下された企画は再検討されないという点です。
この記事では、提案前に知っておくべき4つの注意点をお伝えします。
- 一度却下された企画は、再検討されない
- 「良い出版社」は、知名度や規模では決まらない
- 「いま出すべき本」と「将来出すべき本」を分ける
- 編集者に「一緒に仕事がしたい」と思われる
① 一度却下された企画は再検討されない

出版社の編集者は、日々膨大な量の企画に目を通しているため、一度「採用見送り」の判定を下した企画を、同じ編集者がもう一度検討することは、基本的にはありません。
そのため、「数打てば当たる」と考えて、未完成の企画を次々と送るのはとても危険です。
不十分な企画を送って「この著者の企画は通らない」という印象を与えてしまうと、将来より良い企画を思いついても、目を通してもらえないリスクがあります。
出版社に提案する前に、第三者の意見も聞き、現時点で最高だと思えるレベルまでブラッシュアップすることが、結果的に最短距離となります。
② 「良い出版社」は知名度や規模では決まらない

「少しでもよい条件で、有名な大手から」——そう思うのが人情ですが、出版点数が多すぎる会社では、あなたの本が数ある新刊の中に埋もれてしまいます。
大切なのは企業規模ではなく、「あなたの本をどれだけ重点的に扱ってくれるのか」です。大手でその月の10番目の扱いになるより、中堅出版社で「今月のNo.1」として扱われる方が、露出も売れ行きも上回るケースが多々あります。
もう1つ見るべきは、出版社の「得意分野」です。そのジャンルに強い出版社は書店担当者との信頼関係が深く、一等地の棚を確保する力を持っています。
| チェック項目 | 判断基準 |
|---|---|
| ジャンルの実績 | その出版社から、あなたのテーマに近い本が出ていますか? |
| 営業・販促力 | その出版社の本は、書店の「目立つ場所」に置かれていますか? |
| 担当者との相性 | あなたのビジネスゴールを理解し、伴走してくれる熱意がありますか? |
出版社の選び方については、良い出版社の選び方|知名度や規模で判断してはいけない理由でさらに詳しく解説しています。
③ 「いま出すべき本」と「将来出すべき本」を分ける

「どうしてもこのテーマで本を出したい」という強いこだわりは、著者として素晴らしい資質です。
しかし、そのテーマがいま現在、市場性や著者の実績では難しい場合、無理に突っ込んでも企画は通らず、仮に通っても売れないという結果になりかねません。
そんなときは、「ハードルが高いなら、階段を作ればいい」と考えてみてください。
- いま出すべき本:あなたのこだわりと隣接しながら、より読者ニーズが多く、出版社が「出しやすい」テーマを提案する。まずはこれで著者としての「実績」と「販売力」を証明します。
- 将来出すべき本:あなたのライフワークや、より専門的で深いテーマ。これらは著者としてのブランドが確立し、ファンが増えた段階で出す方が、結果的に多くの人に届けることができます。
出版へのハードルが高いテーマは、将来の2冊目、3冊目で実現すると考えて、まずは「いま出すべき本」に集中することをおすすめします。
④ 編集者に「一緒に仕事がしたい」と思われるために

編集者は、本づくりのプロであると同時に、一人の人間です。「編集者に嫌われる著者」になってしまうと、次へのチャンスは絶たれてしまいます。
編集者に敬遠される著者の特徴
- 読者に関係のないこだわり:「自分が書きたいこと」を優先し、読者のメリットを考えない。
- アドバイスを拒絶する:プロである編集者の修正案を、プライドを理由に拒む。
- ビジネスパートナーとしての意識不足:締め切りを守らない、連絡が遅い、一方的に依存する。
本を出す方は、普段は人に教える立場ですが、出版においては編集者と「売れる本を作るための対等なチーム」であるべきです。
編集チーム一丸となって、良い本を世に出していきましょう。
提案について、さらに詳しく
出版社を選ぶ
編集者と良い関係をつくる
提案のタイミングを考える
よくある質問
一度断られた出版社に、別の企画で再提案できますか?
企画が変われば可能です。再検討されないのは「同じ企画」であって、著者そのものが拒否されるわけではありません。ただし、不十分な企画を繰り返し送ると「この著者の企画は通らない」という印象が残ってしまうため、1本ごとに完成度を高めてから提案してください。
大手出版社から出したほうが有利ではないのですか?
一概には言えません。出版点数が多い会社では、あなたの本が埋もれてしまう可能性があります。そのジャンルに実績のある中堅出版社で「今月の推し」として扱われるほうが、書店での露出も売れ行きも上回ることが多くあります。
複数の出版社に同時に提案してもいいですか?
問題ありません。複数の出版社に同時に提案することは、出版業界では一般的です。1社ずつ順番に待っていると、それだけで何年もかかってしまいます。
なお弊社の支援では、企画に合った出版社の選定と提案の時期は、当方にお任せいただく形になります。
提案してから返事が来るまで、どのくらいかかりますか?
おおよそ1〜3ヶ月が目安です。編集者は日々多くの企画に目を通しており、社内の編集会議のタイミングもあるため、すぐに結論が出るとは限りません。
この間に次の企画を練っておくと、時間を無駄にせずに済みます。
提案の前に、一度ご相談ください
この記事の①でお伝えした通り、一度却下された企画は、二度と検討されません。だからこそ、送る前が勝負です。
弊社では、書き上げた企画書を拝見し、商業出版の可能性を無料で診断しています。あわせて、その企画に最も合う出版社と編集者もお伝えします。
提案は一度きりのチャンスです。その一度を、最も高い確率で通すために使ってください。
次のステップ:出版からのビジネス構築
企画書が通り出版が決まったら、あなたは念願の著者デビューを果たすことになります。
しかし、本を出すこと自体が目的になってしまうと、一過性の喜びで終わってしまいます。
大切なのは、出版という強力なツールを使って、どのようにあなたのビジネスを拡大させ、経済的・精神的な自由を確立していくかという「仕組み」の構築です。
次のページでは、印税を「おまけ」と考え、出版を起点にビジネスを最大化させる戦略について詳しくお話しします。
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