商業出版を目指す方は、その道で長年研鑽を積まれ、確かな実績をお持ちの方がほとんどです。
年齢層も比較的高くなる傾向があるのですが、そこで一つ、大きな問題があります。それは、「昔の本と今の本では、書き方が大きく変化している」という事実です。
この変化に気づかないまま執筆してしまうと、どれほど素晴らしい実績があっても今の時代に売れる本にはなりません。
今回は、現代の読者に選ばれるための書き方についてお話しします。
ティーチングからコーチングへ

一番大きな違いは、著者と読者の目線の高さにあります。
- 昔の本: 権威ある著者が「正しいこと」を教え授けるティーチング型。
- 今の本: 同じ目線に立ち、自身の経験を共有しながら寄り添う共感・シェア型。
現代は共感の時代です。正しい正論をストレートにぶつけるだけでは、読者はお説教をされていると感じ、心を閉ざしてしまいます。
まずは相手の悩みや現状を肯定し、「私もかつてはそうでした」という歩み寄りが不可欠なのです。
「体系的な順番」より「理解しやすい順番」

専門家であればあるほど、自分の知識を論理的・体系的に整理したくなるものです。しかし、ここにも問題があります。
- 専門家の心地よさ: 起承転結や、歴史的背景から順を追って説明するピラミッド型の構成。
- 読者の心地よさ: 「まず何をすればいいか?」という結論や、最も関心の高い部分から始まる構成。
「知識がある人にとって心地よい順番」は、初心者である読者にとっては「とっつきにくい、ストレスを感じる」原因になりがちです。
今の時代の本は、著者のロジックよりも、読者の感情の動きを優先して構成を組むのが大事です。
ライフスタイル意識したリズム
他にも、現代のライフスタイルに合わせた細かい変化がいくつもあります。
| 項目 | 昔のスタイル | 今のスタイル |
| 文字数 | 10万字前後の重厚な構成 | 6〜8万字程度のスリムな構成 |
| 文章の長さ | 一文が長く、修飾語が多い | 短く切り、テンポを重視する |
| 見出し | 抽象的、格調高い | 具体的、ベネフィットが明確 |
これらはいずれも、読者に余計な負荷をかけないという配慮から生まれた変化です。
昔と今の変化
私が本をプロデュースする際は、著者のほうから、読者の目線まで降りていくということを必ず意識しています。
これは、あなたの権威を損なうことではありません。むしろ、あなたの素晴らしい経験や実績を、より多くの人に確実に届けるために必要なことです。
もしあなたが経験も実績もある方で、売れる本を出そうと考えているなら、このポイントを押えれば、あなたの著者としてのポテンシャルを、もっと活かすことができますよ。
