いきなりですが、あなたに質問です。

「あなたの著者としての強みは何ですか?」

こう聞かれて、即座に答えられる人は多くありません。プロデュースをしている私でさえ、突然聞かれたら少しまごつくと思います(笑)。

しかし、自分の強みを考えるときに、私が絶対に忘れない重要な視点があります。それは、「その強みが、読者にとってどういうメリットになるのか?」という点です。

今回は、一見すごそうな実績が、出版の世界では必ずしも良いわけではないという意外な事実をお話しします。

「凄さ」だけでは、読者の財布は開かない

「凄さ」だけでは、読者の財布は開かない

商業出版において、お金を払って本を買うのは読者です。

そして人は、何らかの悩みを解消したいとき、あるいは新しい喜びを得たいときにしかお金を払いません。

つまり、どんなに優れた実績や強みであっても、「それが読者のどんな悩みを解決し、どんなハッピーを届けるのか」が伝わらなければ、出版市場での価値はゼロに等しいのです。

年収100億円 vs 年収1千万円、勝つのはどっち?

年収100億円 vs 年収1千万円、勝つのはどっち?

ここで、極端な例を挙げてみましょう。「年収の高さ」を武器に本を出すとします。

  • 年収100億円の経営者
  • 年収1千万円の会社員

どちらの「著者の強み」が、商業出版として価値が高いと認められやすいでしょうか?

金額のインパクトで言えば、圧倒的に前者です。しかし、企画の通りやすさや、読者からの支持という意味では、「年収1千万円」のほうが上になるケースが多々あります。

「自分にもできそうだ」という最強の武器

「自分にもできそうだ」という出版の最強の武器

なぜ、金額が少ないほうが「強み」として上になるのでしょうか。

その理由は、読者が「自分にもできそう」という感覚を得やすいからです。

  • 年収100億円の場合:多くの読者は「自分とは住む世界が違う」「才能や運が特別だったんだろう」と、最初からシャッターを下ろしてしまいがちです。
  • 年収1千万円の場合:「がんばれば自分にも手が届くかもしれない」「その秘訣を知りたい」と、自分事として捉えることができます。

「読者の悩みを解消する」という視点に立てば、読者が一歩踏み出せる勇気を与えられるのは、自分たちに近い存在である後者なのです。

強みを「読者価値」に変換する

強みを「読者価値」に変換する

もちろん、本当に年収100億円の方が本を出すなら、出版プロデューサーとしては、その圧倒的な説得力を活かして、別の切り口で価値を作るので大丈夫です。(笑)

ここで重要なのは、「凄すぎる実績が、そのまま出版の価値になるわけではない」という考え方です。

  • 自分の強みは、読者のどんな悩みに寄り添えるか?
  • 読者が「これなら自分もやってみたい」と思える要素はどこか?

この視点が抜け落ちてしまうと、いかに素晴らしい実績も、単なる著者の自慢話で終わってしまいます。

自分の実績は気にしなくても大丈夫

自分の強みを探すとき、つい「もっと凄い実績を作らなければ」と自分を追い込んでいませんか?

しかし、あなたの著者としてのポテンシャルは、実績の数字そのものにあるのではなく、「その実績が読者の人生をどう変えるか」という価値提供にあります。

強みを客観的にチェックし、読者のメリットへと丁寧に変換していく。そのプロセスが、あなたの著者としてのポテンシャルを最大限に発揮させることでしょう。