新商品も流行も、消費スピードが極めて速い時代。それは出版の世界でも例外ではありません。

せっかく商業出版を果たしても、似たようなテーマの本が書店にあふれ、あっという間に棚から消えて消費されてしまいます。

そこで今回は、変化の激しい時代だからこそ有効な、逆説的な「待つ」出版戦略についてお話しします。

「流行を追いかけるスタイル」はおすすめしません

「流行を追いかける出版スタイル」はおすすめしません

昭和の頃なら一つのテーマで何十年も書き続けるスタイルも成立しましたが、今の時代、その手法は通用しづらくなっています。

ここで、多くの著者が陥る落とし穴があります。それは、「流行のスピードが速いなら、自分も次々とテーマを変えて追いかけなければ」と考えてしまうことです。

私は、この流行を追いかけるスタイルはおすすめしません。

「浅く広く」が著者ブランドを破壊する

「浅く広く」が著者ブランドを破壊する

流行に合わせて次々と書くテーマを変えてしまうと、どうしてもアウトプットが浅くなります

  • 膨大なインプットの労力: 新しいテーマを学び、消化し、自分の事例として語れるようにするまでには膨大な時間がかかります。
  • 差別化の限界: 急いで仕込んだ知識では、似たような本が多い中で独自の切り口を打ち出すことが難しくなります。
  • モチベーションの枯渇: 自発的な意欲ではなく「流行っているから書く」という作業になりやすく、執筆の情熱が持続しません。

結果として、読者からは「新しめだけれども、他の人と同じようなことしか書かない人」という評価を下されてしまうのです。

これでは著者の寿命を縮めることになりかねません。

「止まる」ことで、自分の深さを武器にする

「止まる」ことで、自分の深さを武器にする

流行を追うのではなく、あえて「止まる」ことを意識してみましょう。具体的には次のようなスタンスです。

  • 自分の関心が持てるコアテーマに留まる
  • 軸足は動かさず、片足だけ「旬なテーマ」に踏み出す
  • 「得意なテーマ」と「新しさ」を組み合わせ続ける

こうすることで、あなた自身の専門性(深さ)を活かしつつ、時代のニーズを取り入れることができます

意欲も持続しやすくなり、結果として本を出し続けることが可能になります。

「止まっている時計」も、1日に1回は正確な時間を指す

「止まっている時計」も、1日に1回は正確な時間を指す

時代の流行をやみくもに追うのではなく、自分の強みを把握したまま、虎視眈々と「待つ」。これも立派な出版戦略です。

止まっている時計の比喩

遅れている時計は決して正確な時間を指しませんが、止まっている時計なら1日に1回、必ず正確な時間を指します。

あなたが自分の信念や専門性に根を張って待っていれば、時代の方からあなたの持つ価値に時間を合わせにやってくる瞬間が必ず訪れます。

世界が高速で動き続ける今だからこそ、この動かない戦略が有効になるのです。

「組み合わせ」が成功の鍵

掛け合わせで生まれる「売れる出版企画」

この戦略で唯一難しいのは、「2つのテーマをどう組み合わせるか」という点です。

2つのテーマに距離があればあるほど、出版企画としてはおもしろく、インパクトのあるものになります。しかし、距離があるほど結びつける発想の難易度は上がります。

もし、「自分の専門性はこれだけど、今の流行とどう結びつければいいか分からない」と感じたら、私はそういう考案が得意ですので、ご遠慮なくオンラインで相談いただければと思います。

あなたの得意なテーマで「待つ」出版戦略

変化の激しい時代に翻弄され、流行を追いかける必要はありません。

あなたが培ってきた経験を信じ、「待つ」勇気を持つことが、長く愛される著者への第一歩です。

この変化の時代に、あなたが著者として活躍し続けるためのヒントになれば幸いです。