「本を出したい」と願い、何回も企画書を送り続けているのに、一向に編集者から良い返事がもらえない。あるいは、持ち込みをしても門前払いされてしまう…。
そんな状況に、「商業出版は難しい」と肩を落としている方も多いのではないでしょうか。
実は、商業出版の門が狭いのには、明確な理由があります。
今回は、商業出版の企画の採用確率と、企画が通らない人が陥っている共通の「失敗パターン」を詳しく解説していきます。
商業出版の「確率」と編集者の視点

そもそも、商業出版を実現できる確率は正確な統計データはありませんが、「200人に1人」や「1,000人に1人」とも言われています。
なぜこれほどまでに商業出版は難しいのか。それは、出版社が1冊の本を作るために、数百万円という多額の資金を投資するからです。
- 編集者の心理: この企画に数百万円を投じて、確実にリターン(売上)を得られるか?
- 審査の壁: あなたの企画は、社内の厳しい企画会議で、営業部や役員を納得させなければなりません。
商業出版の本は、「良いことが書いてある」だけでは不十分なのです。求める読者がいて、類書に勝てる見込みがあり、ビジネスとして成立するかが厳しく問われます。
出版企画で「失敗する人」の3つの共通点

多くの企画書を見てきた中で、スルーされてしまう企画には驚くほど共通した「失敗の再現性」があります。
① 「上から目線のティーチング」になっている
専門家や経営者に最も多い失敗です。自分の知識を正確に、体系的に伝えようとするあまり、内容が「学校の教科書」のようになってしまいます。
読者は勉強をしたいのではなく、自分の悩みを解決したいのです。知識の羅列では、読者の感情を動かすことはできません。
② 「読者のニーズ」より「著者のこだわり」が勝っている
「これを世の中に伝えたい!」という熱意は大切ですが、それが独りよがりになってはいけません。
- × 自分が書きたいこと(主観)
- ○ 読者が今、喉から手が出るほど欲しがっていること(客観)
読者目線になっていない企画は、市場価値がないと判断されます。
③ 「新しい読者のメリット」が欠如している
すでに本屋に並んでいるヒット本と似たような内容を、後から出しても売れません。編集者が最も恐れるのは「二番煎じ」です。
今までの本にはない、新しい読者のメリットが一行で説明できない企画は、その時点で検討リストから外れてしまいます。
「出版に向いてる人」とはどんな人か?
一方で、厳しい門を突破して著者になれる人、つまり「出版に向いてる人」には、共通の資質があります。
| 特徴 | 内容 |
| 客観視ができる | 自分のノウハウを、市場や時代のニーズに合わせて柔軟に形を変えられる。 |
| 独自の鋭い切り口 | 自分の経験や実績に、鋭い切り口を添える重要性を理解している。 |
| 素直なアドバイス受容 | 編集者やプロデューサーからの「耳の痛い指摘」を、企画を磨く糧にできる。 |
| 読者への親切心 | 「どうすれば一番分かりやすく、読者の役に立てるか」を徹底的に考え抜ける。 |
売れる企画は「モヤモヤ」の先に生まれる

企画が通らないとき、多くの人は「もっとすごい実績が必要だ」「文章力が足りない」と考えがちです。しかし、本当の原因はもっと手前のコンセプトのズレにあります。
「本当にこの切り口でいいのか?」「読者はこれで救われるのか?」と、不快なモヤモヤを感じるほど考える。そのプロセスを経て初めて、売れる企画書が完成します。
商業出版にチャレンジしよう
商業出版は難しいというのは事実ですが、乗り越える必要があることです。
たとえ自費出版で本を出したとしても、読者目線になっておらず、新しさもない本であれば、本を出すメリットをほとんど得られないからです。
あなたの企画が通らないのは、あなたの価値が低いからではありません。ただ、企画が出版社の求めるものになっていないだけです。
企画書をブラッシュアップしていき、商業出版で最高の一冊を世に送り出していきましょう。
