売れる本はほぼ例外なく「まえがき」を工夫しています。
今回は、なぜ「まえがき」が本の売れ行きを左右するのか、そして読者の心をつかむためのポイントをお伝えします。
まえがきは、読者が購入を決める「最大の判断場所」

多くの読者は、書店で本を手に取り、パラパラと中身を確認して買うかどうかを決めます。その際、もっとも熱心に読まれるのが「まえがき」です。
また、「本を買った人のうち、最後まで読み通すのは10人に1人しかいない」という説がありますが、まえがきに関しては、ほとんどの人が目を通します。
つまり「まえがき」は、著者の主張や立ち位置を読者に伝える、もっとも確実で絶好のチャンスなのです。
たった1行で読者を惹きつける「つかみ」の力

名著と呼ばれる本は、冒頭の1行で読者をその世界へ引き込みます。
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」
(夏目漱石『坊ちゃん』より)
この有名な一文を読んだだけで、主人公がどんな性格で、これからどんな騒動が起きそうか、ありありとイメージできますよね。読者はこの「つかみ」だけで、一気に感情移入してしまうのです。
ビジネス書や健康本であれば、この1行目に込めるべきは「私はこういう立ち位置で、あなたのこの問題を解決します!」という強い宣言です。
インパクトを削ぐ「余計な要素」を削ぎ落とす

ところが、いざ書こうとすると、まえがきにあれもこれもと詰め込んでしまいがちです。
- いきなり細かい内容の説明を始めてしまう
- 著者の主張とは直接関係のない経歴を長々と紹介する
これらは、まえがきの大切な要素である「インパクト」「納得感」「テンポ」を台無しにしてしまいます。読者の熱量を下げてしまう、非常に惜しい行為です。
尖らせるための「引き算」の視点

まえがきを強く、鋭くするためには、「要するに自分は何を主張するのか?」という軸を再確認してください。
軸が決まったら、それ以外の要素は思い切ってカットしていきましょう。尖らせれば尖らせるほど、読者には「これは自分のための本だ!」という強い納得感が生まれます。
読者が求めているのは、丁寧な解説よりも、「この著者は信頼できるのか」「自分の悩みを本当に解決してくれるのか」という確信なのです。
おわりに
「まえがき」は、読者と著者が「最初に接する場所」です。
着飾った言葉を並べるのではなく、あなたのメッセージを研ぎ澄ませて届けてください。
1行目のインパクトにこだわり、余計なものを削ぎ落としたとき、あなたの本は「ついレジに持って行きたくなる1冊」になります。
