売れている本を読んでいて「ベストセラー著者ほど、自分のカッコ悪い過去や失敗談をさらけ出している」と思うことはありませんか?
ダイエット本で過去のリバウンド経験を語ったり、カリスマ経営者が過去の倒産を告白したり…。なぜ、彼らはわざわざ自分のイメージを損なうようなことを書くのでしょうか。
実はそこには、読者を惹きつけ、出版を成功させるための緻密な計算があるのです。
「すごい人」から「私のための著者」へ

自分の強みや輝かしい実績だけを見せてしまうと、読者はどう感じるでしょうか?
「この人は特別だからできたんだ」「自分とは住む世界が違う」と、心理的な距離を置いてしまいます。これでは、ノウハウがどれほど優れていても、自分事として捉えてもらえません。
あえて弱みを見せることで、読者の心には「あ、この人も自分と同じように悩んでいたんだ」と言う共感うや「こんなにダメだった人でも変われたなら、自分にもできそうだ」という希望が見えてきます。
読者に「これは自分のためにある本だ」と思ってもらえたとき、共感はファン化へと変わり、本も売れることになるというわけです。
出版社が求める「ストーリーのギャップ」

出版社の視点から見ても、単に実績があるだけの著者は、実はインパクトに欠けることが多いものです。編集者が求めているのは、読者の心を揺さぶる「変化のドラマ」です。
「弱み(どん底)」と「強み(現在)」の両方が描かれていることで、そこに大きなギャップが生まれます。
「こんな逆境や失敗から、今のレベルまで駆け上がった人なら、きっとおもしろい解決策を教えてくれるはずだ」
この期待感こそが、企画の採用確度を劇的に高めます。
つまり、弱みがあるからこそ現在の成功がより際立ち、著者へのリスペクトも増し、企画の採用確度も上がるという訳ですね。
カッコつけることは、著者にとって「損失」です
いいところだけを見せようとするのは、著者にとってメリットがないどころか、実は非常に「もったいない行為」です。
隙のない著者は、読者を緊張させ遠ざけてしまいますし、ストーリーのギャップを生むことができません。
ぜひあなたにも、「あえて多少カッコ悪いところを書く」ことで、著者としてさらに輝いていただきたいと思います。
