本や書籍という言葉を聞くと、多くの方はアカデミックなイメージを抱くのではないでしょうか。

そのせいか、初めて本を書こうとされる方の多くが、いかに正しい知識を伝えるかという点に全神経を注いでしまいがちです。

しかし、プロデューサーの視点から言えば、この「知識を伝える」というだけの意識は、今の時代、著者にとって少々危険な落とし穴になり得ます。

今回は、現代の読者に選ばれる本に不可欠な「行動を促す力」についてお話しします。

ネットで「正解」が手に入る時代の、本の付加価値

ネットで「正解」が手に入る時代の、本の付加価値

今の時代、単なる知識や情報を得るだけなら、ネットで検索すれば一瞬で、しかも無料で手に入ります。

たとえあなたの持つ情報が確かで、分かりやすく整理されていたとしても、ただ情報を羅列しただけでは、読者にとっての付加価値は低くなってしまいます。読者はお金を払って情報のまとめを買いに来ているのではないからです。

今の読者が本に求めているのは、情報そのものではなく、「その情報を得たことで、自分の人生がどう変わるか」という実益です。

本は「知識」を「結果」に変えるもの

本は「知識」を「結果」に変えるもの

単に知識を得ても、人はなかなか行動に移せません。

「やり方は分かったけれど、自分にできるだろうか」「明日から何をすればいいのか具体的に見えない」という不安が、行動にブレーキをかけるからです。

そこで、現代の著者に求められるのが、読者に寄り添い、「行動を促して結果を出すところまで寄り添う」という姿勢です。

  • マインドセットを共有: ノウハウを伝える前に、なぜそれが必要なのか、どう考えれば一歩踏み出せるのかという「土台」を整えてあげる。
  • 行動のハードルを下げる: 今日からできる小さなアクションを提示し、成功体験をデザインする。

マインドセットや考え方について教えてもらえば、行動しやすくなり、行動すれば人は変わります。

すると、読者は本を読むことで大きな結果に結びつきやすく、「わずか千数百円なら非常に安い!」という、価値の大きさに繋がってくるのですね。

「情報」と「知恵」の大きな違い

「情報」と「知恵」の大きな違い

「情報」と「本」の違いは、次のように定義できるでしょう。

  • 情報: 知識を伝えるだけで、あとのことは本人にお任せ。
  • 本: 読者が結果を出すことに焦点を当て、行動を促す工夫が凝らされている。

言い換えれば、「知識」を届けるのが情報であり、「知恵(知識+行動)」を授けるのが本であると言えます。

読者が「わかった」で終わらずに、「やってみた」と言ってくれる仕掛けをどれだけ作れるか。それが著者としての腕の見せ所です。