念願の商業出版を果たした後、著者としてのキャリアを歩み始めた方々を見ていると、大きく分けて2つのタイプに分かれるように感じます。

  1. 同じテーマを深掘りし続けるタイプ
  2. 新しいテーマを開拓していくタイプ

この2つに優劣はありません。どちらも著者として非常に大切な姿勢です。

しかし、多くの著者を見てきた中で感じるのは、圧倒的に「2」の新しいテーマを開拓するタイプが少ないということです。

今回は、変化の激しい今の時代に、なぜ「開拓」の視点が重要なのかをお話しします。

一度本が売れると、その領域から動けなくなる

一度本が売れると、その領域から動けなくなる

多くの著者は、一度出した本のテーマに固執してしまいがちです。特に、その本がある程度売れ、成功体験を得た人ほど、その領域から動くことが難しくなります。

「自分はこの分野の専門家だ」という自認が強くなるほど、別のテーマに手を広げることに抵抗を感じてしまうのですね。

しかし、現代において「同じ場所にとどまり続けること」には、かつてないほどのリスクが潜んでいます。

  • 情報の消費スピードの加速: どんなに優れたノウハウも、以前より早く陳腐化し、コモディティ(ありふれたもの)化してしまいます。
  • 現役期間の長期化: 私たちが働かなければならない期間はどんどん長くなっています。一つのノウハウだけで一生を支え続けるのは、ますます困難になっているのです。

だからこそ、著者として息長く活躍するためには、意識的に新しいテーマを開拓する要素を取り入れることが不可欠になります。

伊能忠敬に学ぶ「セカンド・キャリア」

伊能忠敬に学ぶ、本の「セカンド・キャリア」

ここで、私が改めて「凄いな」と思う先人をご紹介します。それは、伊能忠敬です。

彼は事業家として成功を収めた後、隠居してから江戸に出て、全く新しいテーマである「天文・暦学」の勉強を始めました。

驚くべきは、この時すでに当時の平均寿命を超えていたという点です。

彼は単に座学で学んだだけでなく、その後15年以上にわたって日本全国を測量して歩き、日本で初めての実測による全国地図を完成させるという前人未到の大仕事を成し遂げました。

この伊能忠敬の姿は、私たちビジネスパーソンに大きな勇気を与えてくれます。

成功した後にこそ、新しいテーマを開拓する」。このバイタリティこそが、時代を超えて名を残す人の共通点なのかもしれません。

著者として活躍しつづけるために

「自分にはこのテーマしかない」と決めつける必要はありません。

むしろ、1つの分野で実績を作ったあなただからこそ、別の分野を掛け合わせた時に、また新しい価値を生み出せるはずです。

今後の新しい時代に著者として活躍しつづけるためにこそ、逆に古い事例である伊能忠敬の生き方から学んでいきたいですね。